Feb 06, 2010

地方の賃貸事務所

地方のレンタルオフィスは空室率の上昇が続いています。不況による事務所の閉鎖や人員削減による広い面積の必要性などの要因が大きいと思われます。また、競技会以外の要因は、ITの発展により、コンピュータが人の代わりに使用されるもので、人員を必要としない広いスペースや支店、営業所を必要とせず、賃貸事務所を必要としないと思われます。
会計事務所の看板はよく目にあったのだが、高校卒業して入社した会社が年に一回の決算時に個室を用意して、その中で一日中会計事務所から来た人々が込められて仕事しているのを見て初めて仕事内容が明らかにれた。細かい数字抜かりはなく、気を使う死語だと思っています。その結果、会社の運営状況などが明確に凄いことだと思っていました。
 日本市場の「超」成熟化、新興国の成長に伴う市場のグローバル化という多様化する環境下で、日本企業が新たな付加価値を出し続けながら成長するためには、各企業に属する「人」を本当の意味で「人財」とする取り組みが欠かせません。

 本コラムでは、読者の皆様のビジネスを少しでもお手伝いできるように、「人財」を育成するために必要な観点、取り組み方法などをテーマごとに取り上げていきたいと思います。

 最初のテーマとして何を取り上げるべきかいろいろと考えました。

1.本コラムの読者は、ITにかかわる方が多いと思われる

2.ITを有効に活用するためには、SEのコミュニケーション能力向上が急務と著者自身が考えている

 という理由から、最初のテーマとして「SEのコミュニケーション能力向上」を取り上げる事にしました。早速本題にと行きたいところですが、はじめになぜSEのコミュニケーション能力向上が急務だと考えているかについて書いておきたいと思います。

 これは言うまでもないことと思いますが、現在の経営環境ではIT活用の巧拙がビジネス戦略の成否を決める非常に重要な要素になっています。ネットが普及し、ハードウェアとネットワークの価格性能比が上がり、モバイル端末などのユーザーインタフェースも格段に向上してきました。

 このような状況下で、企業の経営者はITのパラダイムシフトを適切に把握し、適材適所でITをうまく活用できれば、工数レス・コストレスで機敏にビジネスチャンスをつかむ確率を上げる事ができる時代になりました。一方、このようなITのパラダイムシフトが起こっているにもかかわらず、ITの投資対効果が低いと嘆く経営者も多いことも事実です。IT構築・運用コストが膨らむ、ITの開発期間が延びる。何故、このような状況が生まれるのでしょうか? その理由は、もちろんケースバイケースでさまざまな要因があり得えますが、企業のIT部門、あるいはシステムインテグレーターが抱える構造的な課題が大きな比重を占めているのではないでしょうか。この構造的な課題とは、

 90年代初頭から続く長期的な経済低迷期に、

・リクルーティングを絞った上に、
・少々過度に個人成果主義に傾斜し、
・教育、特にOJTが疎かになった

 ため、30代半ばから40代前半のIT現場の主力層に必要なスキルが十分に身についていない上、チームあるいは組織としての成果を追求することが難しい環境になっていること。

 さらに、

・ネットの普及によりITがビジネス上に持つ意味が大きくなると同時に、
・ITの技術進歩が加速度的に上がり、
・クラウドに代表される新たなサービス形態も次々に生まれてきている

 といった状況が並行して進んだため、同じくIT現場の主力層がビジネスの目的を達成するために必要十分なIT知識を習得しきれない状況になっていることだと考えられます。もちろん、すべての企業がこのような状態になっているというわけではないですが、上記のような状況のいずれかは当てはまるという企業は多いのではないでしょうか。

 このような構造的な課題は、少数の優秀な人材の属人的な力だけで解決できるものではなく、組織の取り組みとして解決策を考えて行かなければなりません。社内の上下左右の人材ばかりでなく、社外(お客様や協力会社)の必要な人材も巻き込んで、目的達成のために必要な力を持つ方々に協力してもらって実行しなければなりません。さらに、可能な限り早急に。このような状況を鑑みると、ITにかかわる人材、特に現場で主力となるSEのコミュニケーション能力向上が急務だと思われるのです。

 前置きが長くなりましたが、ここから本題に入りましょう。今回のテーマに関しては何回かに分けて書こうと思いますが、初回では「コミュニケーション上の意識改革」に関して解説します。まず、以下のある営業部長とSEの会話を読んでみてください。

部長:わたしの友人の会社では、セールスフォースを導入して短期間に低コストで営業支援システムを構築したと聞いたのだが、当社ではそのような検討はしているのだろうか?

 日経などの紙面でも、クラウドの有効活用の記事なども出ているし、来期は営業のシステム支援も拡充して業績向上に取り組みたいと思っているのだが。

SE:当社でセールスフォースを利用するのは、結構難しいですよ。当社の基幹システムはオフコンですから、SaaSのサービスを使うにはあまり適した環境ではありません。まずは、現在のシステムをオープン環境で再構築することが必要だと思いますが。

部長:それは、かなりの費用と時間がかかるんじゃないの? うちのシステムは、そんなに駄目なの?

SE:そうですね。だいぶ前に開発したものですから。今後のクラウド技術を有効に活用するために、SOAの思想に基づいてシステムを再構築した方が良いと、個人的には思っているのですが。

部長:そうか。専門家の君が言うのだから、そうなのだろうね。IT部門では、そういう検討をしているの?

 皆さんは、この会話を読んでどう思われますか? このようなコラムなので、ちょっと極端な例を書いてみましたが、このような会話を耳にする事は結構あると思います。この会話は、会話として成立していない可能性が高いですね。最大の問題点は、部長の話の真の目的が、クラウドの有効利用か、ITでの営業支援か、その両方かを明確にしないで、議論をしてしまっていることですね。

 また、目的が明確になっていないまま、SEは現状のシステム環境でSaaSを利用することの難しさを説明していますが、この説明を部長は理解しているでしょうか。ITを理解している人にとっては、至極当たり前の議論で、論理的に自分の意見を話しているように見えます。しかし、ITの知識が乏しい方には、専門用語の羅列にしかすぎず、何を言っているのか理解できない可能性があります。そうだとしたら、建設的な議論にならないのは言うまでもないですね。

 部長も、分からないのであれば、質問して分かるまで説明を聞いた上で議論すべきですが、このように当たり前のように専門用語で説明されると、相手はなかなか聞き返し辛いもの。やはり、ITの専門知識を持つSEが相手に分かるように話す必要があると思います。

 では、どうしたらそのような会話をSEができるようになるのでしょうか。勿論、コミュニケーションを円滑に行うための手法も必要ですが、まずは意識の持ち方一つでコミュニケーションは大きく変わります。

 そのポイントは、

・システム化の目的の裏には、必ず真の目的(業務上の目的)がある
・ロジカルかどうかは他人(ヒト)が決める

 という意識を常に持つことです。ここで大事なのは、「意識する」ということ。常に意識していれば、言動は必ず変わります。最初のポイントに関しては、「なぜ、なぜ5回」ではないですが、相手の目的を本当に自分が理解するまで確認する意識を持つことが重要です。今回の例では、仮にITでの営業支援が目的だったとしても、フィールドでのオペレーション支援なのか、データの有効活用による支援なのか、それ以外なのか、全く明確になっていませんね。

 ビジネスの現場にいない自分は、本当の目的を簡単には理解できないという意識を持ちながら、相手の真意を理解するまで確認させてもらう事が大事です。2つ目のポイントに関しては、「コミュニケーションは相手が決める」、相手が理解していなければ何も説明した事にはならないという基本原則を意識することが重要です。自分にとってロジカルな説明であっても、相手にとっては全くロジカルではない場合が多々あります。常に相手、つまり聞き手を意識し、相手がこちらの説明を理解してくれているかどうかを確認しながら言葉を選んで話をする事が大事なのです。

 最後に、このような意識改革の実践方法に関して触れておきます。わたしの会社を含め、このような意識改革を行うための研修を提供している会社は多々あります。ビジネスでの具体例を使ってこのような意識を「持ち続ける事」の重要性を理解してもらうためには、研修会社のサービスを利用することも一つの手段だと思います。

 そうすれば、ファシリテーションや質問力など、必要なスキル向上も同時に行うこともできます。しかし、「意識改革」ですから、単に研修などを行っただけではなかなか定着しません。

・企業の経営陣、管理者がこの重要性を意識し、事あるごとにその重要性を口にすること
・日々の実務の中で、経営陣や上司がこの意識を持って範を示すこと
・範を示しながら、OJTでコミュニケーション能力向上を図ること

 の3つを実践することで、必ず社員の意識は変わります。その頻度や具体的な手法は企業によって異なりますが、是非このポイントを押さえて、実践方法を考えてください。

 次回は、WBS、議事録などの作成を通じてのOJTによるSEのコミュニケーション能力向上の取り組み手法に関して書こうと思っています。是非、次回をお楽しみに。【井上浩二(シンスター)】

(ITmedia エグゼクティブ)
WriteBacks
TrackBack ping me at
Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.