Feb 16, 2010

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 ■東芝、原発に250人派遣/ローソン、5分後に対策本部

 発生から1カ月が経過した東日本大震災は、企業活動に深刻なダメージを与えると同時に、各社の危機管理能力が厳しく試された。決定的に重要な初動では、経営トップらが単なる一企業の危機ではなく、「国難」と位置付け、24時間態勢で情報収集や陣頭指揮にあたった。東京電力福島第1原子力発電所事故をめぐり原発関連企業は、今も危機対応が続く。

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 ◆できること全部やる

 「津波で(原子炉冷却用の)電源に異常がある」

 福島第1原発に原子炉などを納入した東芝の佐々木則夫社長が、報告を受けたのは、3月11日午後2時46分の地震発生からしばらくたった夕刻だった。

 原子力畑出身で冷却不能となった場合の危険性を熟知する佐々木社長は、即座に社内に原発緊急対策本部を設置。「原子炉への注水が必要だ」などと、原子力事業部に指示を飛ばした。この日は都内の本社に泊まり込み、帰宅したのは翌朝だった。

 13日には首相官邸に菅直人首相を訪ね、「できることは全部やる」と全面協力を表明。原子力事業拠点の磯子エンジニアリングセンター(横浜市磯子区)などから約800人の技術者を招集し、うち約250人を現地に派遣した。現在も本社をほとんど離れず、事態収拾に向けて陣頭指揮を執っている。

 4号機の建設を担当した日立製作所。中西宏明社長は、地震発生直後に地震対策統括本部の設置を指示。さらに24時間態勢で事故対策や復旧をバックアップする原発緊急対策室も即座に設けた。これまでに現地に350人を派遣。外部電源の復旧や原子炉の冷却など、「刻一刻の対策」(同社)に従事している。

 ◆コストは関係ない

 その瞬間、社長室の柱がたわみ、周囲のビルが大きく揺れた。「これは尋常じゃない」

 震災の発生当時、東京・品川の本社社長室で書類に目を通していたローソンの新浪剛史社長は、5分後に対策本部を立ち上げた。だが、被災地と連絡が取れず、店舗などの被害状況がいっこうに明らかにならないまま夜を迎える。

 「これは国難だ」。新浪社長は、対策本部のメンバーに、告げた。コンビニエンスストアは、これまでの大規模震災でも、食料品や生活必需品を供給し、被災地の「ライフライン」となってきた。「コストがいくらかかっても構わない。何としても被災地に物資を届ける」と指示を飛ばした。

 翌12日夕には、被災地に向け、本社社員と物資を乗せたトラック4台が東京を出発。15日には、燃料確保に取り組むよう指示し、ガソリンスタンドを経営する京都府の加盟店が軽油を被災地に運んだ。

 「復旧支援は売り上げや利益よりも優先する」。コマツの野路国夫社長は地震直後、グループ全社員にこんな緊急メッセージを発信。14日には被災地に建機やプレハブ、発電機などの無償貸与を決め、行動で示した。

 ◆早期復旧へ決断

 「人的被害はないのか」

 震災発生直後に対策本部を立ち上げた住友金属工業。友野宏社長は、滞在中の大阪本社から全国事業所を結んだテレビ会議システムを通じ、情報収集に全力を注ぐよう命じた。

 しかし、大きな被害を受けた鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)とは連絡が途絶したまま。そのころ鹿島には大津波警報が発令され、全従業員が付近の高台に避難中だった。

 午後7時半、ようやく現地鹿島製鉄所からメールで連絡が入った。「従業員は全員無事」。ホッとする間もなく、火災発生やクレーンの倒壊などの被害情報が送られてきた。

 状況把握もままならない混乱が続く中、友野社長は早くも復旧へ動き出す。秘策は、来秋の合併で合意している新日本製鉄への支援要請。鹿島の近くには、新日鉄の君津製鉄所(千葉県君津市)があった。

 翌12日に友野社長が電話をかけた新日鉄の宗岡正二社長も即座に承諾。共同で設備修復などに取り組んだ結果、20日には高炉再開にこぎつけた。

 「震災は大きな試練だが、両社の関係を強固にした」。関係者は、こう指摘した。

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 深刻な状況が続く福島第1原子力発電所の事故に関連し、日本経団連の米倉弘昌会長が東京電力国有化論の火消しに懸命だ。11日の会見でも「民間企業としての東電」を強調し、全面支援を宣言した。国有化論はこれまでに、菅直人首相や枝野幸男官房長官らが可能性に言及、菅首相は後に発言を修正したが、金融市場は株価が急落するなど敏感に反応した。産業界にも広がりをみせており、経団連としてどこまで支えられるか、予断を許さない状況が続く。

 「東電の技術力の高さ、モラルの高さは世界最高であると認識されるはずだ。(経団連内に)国有化論はない。政府は民間企業として東電を支援すべきだ。一部の政治家が国有化に言及したことで、どれだけ株価が下落したことか」

 米倉会長は11日、東電の国有化論について質問が及ぶと、全面的に否定し、強い抵抗を示した。体調を崩して療養していた東電・清水正孝社長(経団連副会長)が現場に復帰したことについて「とても喜ばしい。社長としての責任を全うできるよう経団連は側面支援していく」と歓迎し、バックアップを約束した。

 米倉会長は早くから東電の立場を支持する姿勢を明確に打ち出していた。この日の会見でも、事故を起こした福島第1原発が国の基準に基づいて建設されたとして、「東電が甘かったのではない。国(の設定する安全基準)が甘かった」と東電を擁護した。

 しかし、産業界には別の声もある。ある製造業の幹部は「地震や津波が想定を超えていたとはいえ、結果的に与えた被害の責任は免れることができない。企業としての自立を主張しすぎると、民間のわがままと受け取られかねない。法律論とは別の議論が必要ではないか」と言う。あるアナリストは「政府の責任を一方的に追及することが果たして民間企業として得といえるのか」と疑問をはさむ。

 産業界内の異論が高まれば経団連の政治に対する発言力に影響が出かねない。米倉会長は、この日の会見後も、福島県の佐藤雄平知事が謝罪に訪れた清水東電社長との面会を拒否したことについて「苦境にある者にああいう対応をするのはリーダーとしての資質を疑う」と佐藤知事への苦言を呈し、東電擁護に努めたが、この姿勢をどこまで貫けるのかが問われそうだ。正確なシェアハウスのポイント

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